何が変わった?「障害」ではなく、枠を使い切る前の案内
Cloudflareは2026年10月6日、DNSレコードの割り当て枠を85%使用すると、ダッシュボードのDNSレコード画面で警告する機能を発表しました。これはレコード数に関する案内であり、通信量やストレージの使用率ではありません。公式発表
発表で説明されているのは使用量の警告です。この発表だけを根拠に「85%になったらサイトが止まる」「自動で課金される」と解釈するのは適切ではありません。一方、公式資料ではダッシュボードやAPIで新しいレコードを作る際には上限内である必要があると説明されています。追加作業の直前ではなく、余裕があるうちに確認するための通知と捉えると実用的です。
まず確認するのは「どこの使用量か」
公式に示されている集計範囲は次の2通りです。
- ゾーン単位の枠:表示中のゾーンの使用量。
- アカウント単位の枠:そのアカウントの全ゾーンを合計した使用量。
アカウント単位の枠が適用される場合、現在見ているドメインのレコードだけを数えても警告の意味を説明できないことがあります。複数サイト運営では、この違いを先に確認しましょう。
また、Email RoutingなどCloudflareの別サービスが作成するDNSレコードも枠に含まれます。上限は契約やゾーンの条件で異なるため、古い解説記事の数値をそのまま自分の上限とせず、現在の公式資料と対象環境を照合してください。
警告が出たときの確認手順
以下は公式の機能説明を踏まえた、当サイトの運用上の提案です。DNS設定を変更しなくても、まず読み取りだけで整理できます。
- 対象のアカウントとドメインを確認し、警告の集計範囲・使用量・上限・確認日時を控えます。
- 近く追加する予定のサブドメイン、メール設定、サービス認証用レコードを洗い出します。現在の空きだけでなく、予定分を含めて判断します。
- 編集前にDNSレコードをエクスポートし、安全な場所へ保管します。公式の画面手順はDNSレコード画面の「Import and Export」から「Export」です。公式手順
- 各レコードの用途・利用中のサービス・管理担当・廃止の根拠を整理します。用途不明は削除候補ではなく、調査待ちにします。
- 廃止を確認できたものだけ、戻し方と確認項目を決めて個別に整理します。残り枠が予定分に足りなければ、適用される上限と対応方法を公式窓口・資料で確認します。
エクスポートファイルには運用構成が含まれるため、公開リポジトリや記事へ貼り付けないでください。また、DNSの保存ファイルだけで関連サービスの設定全体が復元できるとは限りません。
架空の例:Webサイトは1つでも、メールや認証でレコードは増える
説明用の架空ドメイン example.com で、Webサイト、メール、外部予約サービスを使っているとします。Web表示用のレコード以外にも、メール配送や送信認証、サービスの所有権確認に使うレコードが存在する場合があります。
ここで「Web表示に使っていなさそう」という理由だけで削除すると、ページは開けてもメールやサービス連携に影響する可能性があります。数を減らすことより、何に使う設定なのかを把握することが先です。古く見えるTXTレコードも、不要と確認できるまでは残す判断が安全です。
この機能はどんな人に便利?限界は?
当サイトの評価では、複数サービスを同じドメインで使う人や、移行時に新旧設定を一時的に併存させる運用で役立ちます。枠の不足に事前に気づければ、作業途中で追加ができなくなるリスクを見積もりやすくなります。
ただし、警告は不要なレコードを選別する機能ではありません。使用量が低くてもDNS設定の正しさは保証されず、使用量が高くても全レコードが必要な場合があります。今回確認したのは公式資料の説明までで、警告の再現、実際の削除・復元、上限到達試験は行っていません。